2007.06.05 Tuesday 00:58
梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』
梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』読了。時は百年前、トルコへの留学生・村田の寄宿する家には、さまざまな国籍の人間が集まっていた。異なる文化圏の人たちがそれぞれの意見をもち、しかしお互いを尊重しあう、温かい交流を描いたトルコ滞在記。
梨木さんの作品には、霊とか不思議な存在が違和感無く日常に解けこんでいるのが共通しています。トルコの下宿の壁、綿貫の家の掛け軸、りかさん。でも、描いているのはあくまで人間たちの交流や感情なんですよね。
朴訥とした文体で書かれたこの作品を読んでいると、百年前に現実にオットーたちが存在していて、その交流を村田が書いように思えてしまいます。
『春になったら苺を摘みに』を先に読んでいたので、さまざまな国籍の登場人物たちは、梨木さん自身がイギリスで出会った人たちの姿が多少なりとも反映されてるんだろうなあと感じられました。
つい最近図書館で借りて読んだんですが、5月に文庫になってるんですね。買ってこよ。

comments
『村田エフェンディ滞土録』文庫版は角川文庫でした。
そりゃ見つからないはずだ(笑)
ハードカバーの表紙は水墨画風で趣がありましたよね。
村田君が描いたのかも?なんて思えたりもしました。
文庫の表紙はかわいらしくて手に取りやすいので、これはこれで。
しかし地元の書店では、他の新潮文庫新刊はあるのにこれだけありませんでした。なんでだー?
ハードカバーとは、表紙の絵がまた違ってますね。
ハードの方が世界観には合ってた様な気もします(^^;)